COTTON TOPICSバックナンバー

【2014 SUMMER】


シキボウ

夏は涼しく、冬は暖かく。体温調整を補助する快適素材
「エアコン繊維


 
夏の暑さや冬の寒さを繊維の力で少しでも軽減できたら…。シキボウから「夏は涼しく、冬は暖かい」をコンセプトにした調温機能加工素材「エアコン繊維Ⓡ」が発表された。
 もともとコットンは、天然の快適な繊維であるが、「エアコン繊維Ⓡ」は、さらに調温機能を強化した。夏場、遮熱効果と汗を吸水し速乾する際の気化熱で涼感機能があり、一方、冬には、衣服内の湿度を利用した吸湿発熱機能で温かくなる。この加工は、昨今の猛暑や厳寒時の異常気象の環境下で、特に効果を体感しやすいという。社内の実験では、加工品は未加工品に比べ、約1~2℃衣服内温度が上下することが確認されている。商品は、綿の持つ機能はそのままに、吸水性がよく、ムレにくい特長も併せ持つ。
 すでに同社では夏用の涼感素材ブランド「シャーネッツ」を発売し好評を得ており、この「エアコン繊維」は秋冬も使用できるオールシーズンタイプに進化した形で開発されている。クールビズとウオームビズの両方に対応可能な快適綿素材として注目を集めそうだ。
今後、シャツ地やユニフォーム地を皮切りに、屋外作業服、カジュアルシャツ、アウトドアウエア、アウトドア用品、カーテンなどのインテリア、帽子、資材など、幅広い分野での活用が見込まれている。


 

   
問合せ先: シキボウ株式会社 戦略素材企画推進室  電話:06-6268-5553
           http://www.shikibo.co.jp/



クラボウ

日本酒由来の成分を活用した、保湿性の高い素材を開発
「ANYTIME(エニータイム)~潤布(うるぬの)TM~」


 
塩麹や塩レモンブームなど、美肌やアンチエイジングに敏感な女性たちの多くが注目する発酵アイテム。中でも日本酒に含まれる麹菌や酵母など微生物の働きは、健康志向の高まりとともにブームになっている。
 そのような中、クラボウは清酒「白鹿」の醸造元・辰馬本家酒造とノエビアと共同で、日本酒由来の成分を繊維に一体化した、保湿性の高い素材「ANYTIME(エニータイム)~潤布(うるぬの) TM~」を開発した。
 「ANYTIME」は、クラボウの電子線グラフト重合加工「EBRIQ(イブリック)」(注1)技術を活用し、辰馬本家酒造が清酒の研究過程で発見した成分「αGG(アルファジージー)」(注2)を分子レベルで繊維に結合させることに成功。繊維自体に保湿性をもたせた。その保湿効果の検証には、「αGG」を活用した化粧品等を開発・販売しているノエビアが行い、繊維自体の保湿性に関しての有効性を確認している。さらに生地の選定や加工との組み合わせによって、ソフトでここち良い手触り感、優しい風合いを付与することも可能。
「αGG」は、α-グリコシルグリセロールという食品由来の成分で、日本酒300mlにわずか1gしか含まれない希少なもの。辰馬本家酒造が清酒のもろみを分析している過程で肌への好影響を発見した。すぐれた保湿効果やコラーゲンやヒアルロン酸を作る働きをサポートする機能があるという。現在、辰馬本家酒造の自社ブランドとノエビアからそれぞれこの成分を使った化粧品が発売されている。同成分の繊維への加工はクラボウが初めて。
同社の進める異業種コラボレーション開発商品の一つとして、女性ユーザーの注目を集めそうだ。主な販売用途は、レディース関連の衣料品全般で、インナーなどより肌に近いアイテムが中心となる。今夏から本格的に展開予定。 


 



(注1)
電子線グラフト重合加工「EBRIQ」について
電子線を利用して繊維素材に様々な機能を付与することができる改質技術で、機能性分子を分子レベルで繊維に固定化させるクラボウ独自の技術。「EBRIQ」は、その技術ブランドの総称。
(注2)
「αGG」の商標について
「αGG」は、α-グリコシルグリセロール(グリセリルグルコシド)の日本国内における辰馬本家酒造株式会社の登録商標。


   問合せ先: クラボウ 大阪本社 営業統括部 マーケティンググループ 
           電話:06-6266-5303   http://www.kurabo.co.jp/cotton