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【2014 WINTER】



第50回全国ファッションデザインコンテスト

日本綿業振興会賞は白い「カオス」


 一般財団法人ドレスメーカー服飾教育振興会・学校法人杉野学園主催の第50回全国ファッションデザインコンテストが開催され、日本綿業振興会賞に吉川健大郎さんの作品「CHAOSカオス」が決定した。

 吉川さんは、岐阜県在住の23歳。名古屋モード学園を卒業し、染色工場「ディープカラーズ」に勤務している。受賞作品は、綿を中心にボイルやシフォン、オーガンジー、サテン、レースなど、さまざまな素材を使った生地にプリーツや染色加工を施し、それらを重ね合わせて立体的シルエットに仕立て、美しさを表現したドレス。

  白をベースにしたのは、オフホワイトをかけたり、洗ったり、脱色したり、白には良くも悪くも多様な可能性があるからだという。そうした多様な表情を持つ白い布の組合せを「カオス」と捉え、そこからふんわりと優しい動きのある、しかもエレガントなドレスデザインを引き出そうと試みた。

 一見するとシンプルでさりげない感じに見えるが、近づいてよく見ると細かな手作業が加えられ、精巧なつくりになっている。込み入ったカットにもかかわらず軽やかな仕上がりで、形があってないようなゆるい感覚だ。誰もが街で普通に着こなせそうなカジュアルで洗練されたデザインに、才能の閃きが感じられる。

 将来の夢はもちろんファッションデザイナーになること。現在はたくさんの生地に触る修行をしているそうだ。今回の受賞を機に、大きく羽ばたいてほしい。