プレスリリース

 
2020年7月22日


U.S.コットン・トラスト・プロトコルが、コロナ禍の 世界市場においてアパレルと小売のサステナビリティ計画が どう変化したかの調査を実施

新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降、
消費者からのサステナビリティへの取り組み要求が一層高まり
公約を果たさないアパレルは顧客を失う可能性があると半数以上が回答

 テネシー州メンフィス –(2020年7月16日)– U.S.コットン・トラスト・プロトコルが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が感染拡大以降8つの世界市場において、アパレルと小売のサステナビリティ計画がどのように変化したかについて調査を実施しました。

 先頃実施したグローバル調査によると、アパレル及びテキスタイルブランドのサステナビリティ担当責任者の54%が、新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降、環境的に持続可能な慣行および製品への顧客の要求は高まっているとする一方で、59%が顧客は依然として購入の際、価格を最重要視していると回答しています。

 調査結果によると、43%の回答者が、COVID-19がこの期間のサステナビリティの取り組みへの投資にプラスの影響を与えたと答え、40%はマイナスの影響をもたらしたと考えています。また、顧客も家計の状況と環境問題への懸念の狭間で葛藤していると見ており、来年顧客が購入の際に重視する事項を予測してもらったところ、「最も得となる買い物」と「個人的価値観に合うアパレルまたは小売」が上位2つとして挙げられました。

  U.S.コットン・トラスト・プロトコルのプレジデントであるGary Adams博士は、「感染拡大の影響によってサプライチェーン全体に経済的な問題が生じていることは明らかですが、この調査では、企業とその顧客が引き続きサステナビリティを重要視していることが示されています」と述べています。  

 Adams博士はさらに、「多くの国が回復段階に入っているため、アパレルは科学的根拠に基づく目標を満たしていることを示すために必要なデータを入手できるようにU.S.コットン・トラスト・プロトコルなどのシステムが、これまで以上に重要となります」と述べています。

サステナビリティに対する顧客の要求
  回答者の54%が、感染拡大以降、より環境的に持続可能な慣行や製品に対する顧客の要求が「大幅に」または「やや」高まったと答え、42%が顧客はその要求をより主張するようになったと答えています。回答者のおよそ半数が、顧客は購買姿勢を通じて企業の説明責任をより求めるようになっていると感じているようです。また、48%はサステナビリティ公約を果たさなかった場合、顧客は他のブランドに乗り換えてしまうと考えています。

サプライチェーンにおけるサステナビリティを引き続き重視
  9%の回答者が感染拡大の影響でサステナビリティの取り組みを大幅にまたは完全に一時停止していると答えていますが、製造(25%)、原料調達(25%)、トレーサビリティ(11%)など、大半の企業はサステナビリティの取り組みを引き続き重視しています。

欧州のブランド、コロナ禍でもサステナビリティ投資を継続
 サステナビリティの取り組みへの投資に対する感染拡大の影響は、市場によって大きく異なります。北米の回答者は、最も投資の可能性が低く、サステナビリティ投資にCOVID-19がプラスの影響をもたらしていると答えたのはわずか26%でした。
 一方、欧州の回答者は63%がプラスの影響をもたらしたと答え、アジアでは46%がサステナビリティの取り組みにより積極的に投資をするようになったと回答しています。アジアと欧州では、COVID-19の影響がサステナビリティの取り組みを前進させていることから、各市場の状況が、グローバル要因よりも今後のサステナビリティの取り組みに、より大きな影響を与える可能性があると言えます。  

 多くの企業が、感染拡大下にサステナビリティ計画を支援する方法を模索しており、 62%が大規模な新しい取り組みへの投資を再開する余裕ができるまで、外部とのパートナーシップをより強化することに重点を置くと回答しています。また、59%が環境に関する報告の透明性向上、63%が原料調達におけるサステナビリティの向上、59%が外部のサステナビリティ基準または現行の計画の遵守に、より重点を置くようになっていると答えています。


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調査方法

 この調査はU.S.コットン・トラスト・プロトコルが主催したオンライン調査で、8つの世界市場において2020年6月21日から7月5日までの期間で、社内のサステナビリティに関する方針決定に携わる、または担当責任者である幹部138人を対象に実施しました。
 回答者の募集は、Sourcing Journalと業界有数のパネルパートナーを通じて行いました。本調査では、北米、欧州、アジアの参加者が回答しています。調査結果は、家庭用品、履物、アクセサリー、ファブリックやアパレルなど幅広いテキスタイル業界における実経験に基づいた意見が反映されています。


U.S.コットン・トラスト・プロトコルについて

 
サプライチェーンに対する監視の目が一段と厳しさを増し、透明性を求める声が一段と強まる中、U.S.コットン・トラスト・プロトコルは、よりサステナブルな栽培による綿花の基準を設定します。責任ある綿花生産という課題に対し、定量化や検証が可能な目標や計測を導入し、主要なサステナビリティ指標において継続的改善を進めます。

 トラスト・プロトコルは、高度なデータ収集や外部の第三者機関による検証を通じてアメリカ綿の進捗状況を裏付け、立証します。トラスト・プロトコル綿を選択すると、アパレルや小売は、自身のサプライチェーンに使用される綿繊維がよりサステナブルであり、環境や社会に与えるリスクが抑えられているという確証を得ることができます。トラスト・プロトコル綿は、フィールド・カリキュレーターを使って計測された後、コントロール・ユニオン・サーティフィケーションズによって検証されます。その結果、フィールド・トゥ・マーケット によって証明されたアメリカ綿のサステナビリティに関する認証情報を入手できるようになります。

 U.S.コットン・トラスト・プロトコルは、アパレルや小売、市民社会、外部のサステナビリティ専門家、および栽培農家、繰り綿業者、綿花商、卸売業者、協同組合、紡績会社、綿実取扱業者を含む綿花業界の代表など、複数の利害関係者で構成される理事会の監督下に置かれています。さらに詳しい情報は、 https://trustuscotton.org/ でご覧ください。



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