2013/7/16更新

◆アメリカ綿の話◆
綿花(めんか)って、花?
 綿花は花ではありません。綿製品の原料となるコットンの繊維のことです。綿繊維は、綿の種に生えた繊維で、種の表皮細胞が細長く生長したものです。綿の木はあおい科綿属の一年生または多年生草本で、きれいな花を咲かせます。花が咲いた後にできる実(コットン・ボール)が成熟し、はじけ、中から白い綿繊維があふれ出ます。コットン・ボールがいっせいにはじけると、綿畑一面に白い花が咲いたような感じになります。

アメリカではどんな綿花が栽培されているか?
 アメリカで栽培されているアプランド綿は、メキシコなど中米地域の野生種を米国で品種改良してつくり出したもので、現在世界中で生産されている綿花の90%以上を占めるほど、繊維の品質がよく、土地順応性の高い、栽培しやすい品種です。通常、アメリカ綿といっているのはこの品種グループのことで、現在米国では50種類以上も栽培されています。
 アプランド綿のほかに、エジプト綿や海島綿のように繊維がもっと長い品種がありますが、このグループのもので米国で栽培されているのはスーピマ綿と言われ、高級品の原料に使われています。

綿花生産の規模はどれほどか?
 綿花生産は世界60カ国以上で行われ、年によって変動しますが、年間2,500万トンにのぼります。そのうち、米国は約380万トンを生産し、中国、インドと並んで世界最大の綿花生産国です。綿花輸出国としては米国は長年にわたり世界一です。
 日本は年間6万トン綿花を輸入していますが、アメリカ綿が一番多く、ほぼ半分を占めています。

綿花生産はどこで行われているか?
 米国の東海岸ノースカロライナ州から西海岸のカリフォルニア州までコットンベルトと呼ばれ る7州で栽培されています。


アメリカ綿のすぐれている点は?
綿花生産は天候の影響を受けやすい農業ですから、年によって生産量や品質が変わります。しかし自動化高速化の進んだ最新の紡織工場では、原料は、量、質とも安定していることが、まず大切なことです。その点、米国は安定した品質の綿花を安定供給できる唯一の国と言えます。
 カリフォルニア州で生産されているサンホーキン綿は、アプランド綿のなかでは最も高品質で、日本ではニット製品によく使われています。また、高級なスーピマ綿はここ数年生産が増え、日本での使用も急速に増加しました。
 アメリカ綿は品種のバラエティが多いので、用途によりいろいろの品質の綿花を選ぶことができるという点も好都合です。

綿花生産の環境対策は?
 米国は綿花生産の歴史が長く、技術開発や綿花政策にカを入れてきました。綿作農家は、目先の利益追及ではなく、農地の地質や環境を守ることに熱心で、全米綿花評議会を中心にして、最新の科学技術を駆使して、化学農薬をできるだけ減らすように努力を重ね、その成果も著しく上がっています。数量はわずかですが、オーガニツク・コットンといわれる、綿花の有機栽培も米国が最も進んでいます。

アメリカ綿とのつきあいはどれほど古いか?
 日本と米国との綿花のつきあいは130年以上にもなります。おもしろいことに、最初の出会いは、日本から米国への綿花輸出です。1862年のことです。米国は当時世界最大の綿花生産国でしたが、南北戦争がおきて、綿花生産がストップしてしまったため、日本綿16.4トンが米国に送られました。
 アメリカ綿が日本に輸入され始めたのは、1886年(明治19年)で、試験的に1俵のアメリカ綿が輸入されたのが皮切りで以降徐々に増え、1932年には229万俵を記録しました。